遺言書作成
遺言とは
相続手続きを進めていく中で、まず遺言があるかないか、あればその内容はどういったものかを把握することは最重要の調査事項の1つです。
その内容によって手続きが大きく変わることになるからです。
遺言できる内容は法定されており、相続分の指定や遺産分割の方法・禁止、遺贈、遺言執行者の指定、認知、推定相続人の排除などができます。
そもそも遺言は、遺言者の生前の最終意思を尊重しようという趣旨のもとで民法にその規定がされています。
その厳格な要式性から、正確な知識無く作成された遺言がしばしば無効になったりします。
せっかく遺言をするなら、相続時に本当に被相続人の意思をかなえられるような内容と正確性が欲しいものです。
やっかいそうな遺言手続きですが、被相続人死亡後の相続人間のいわゆる「争族」を防止するためにも一度考えられてはいかがでしょうか。
京都相続・後見サポートでは、 相続対策としての遺言書作成を司法書士がサポートしています。
遺留分とは
民法による規定で、相続人の生活の安定や最低限度の相続人間の公平を確保するために、兄弟姉妹以外の相続人に最低限度の相続権である遺留分(直系尊属のみ3分の1。それ以外は2分の1。)を保障しています。
個々の相続人が有する遺留分の額は、遺留分算定基礎財産(相続財産に相続前1年以内の生前贈与と特別受益を加え、負債を控除して算出。生前贈与の額は全て相続開始時の価額で評価)に前記遺留分比率を乗じて求めた相続人全体の遺留分の額に、各相続人の法定相続分を乗じることで算出します。
そして、被相続人の生前贈与や遺贈によりその遺留分を侵害された相続人には、侵害した相続人に対し財産の返還を請求できる遺留分減殺請求権という強い権利が認められています。
このような強い権利であるがゆえに、スムーズな事業承継に支障をきたすことも多く、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)の下に、平成21年3月1日、一定の要件を満たす事業承継の場合、民法の特例(遺留分)が適用できることになりました。
・詐欺や脅迫により遺言を強要した場合にはその強要した相続人は相続欠格者となり、法律上当然に相続人の資格を失います。
・遺留分を侵害するような遺言をした場合、遺留分減殺請求をされる場合もあります。
主な遺言の種類 公正証書遺言と自筆証書遺言
公正証書遺言
証人2人立会のもと、遺言者の口授に基づいて公証人が作成する方式です。
専門家である公証人が作成することで無効になるおそれも少なく、検認も不要、字が書けなくてもOK、原本が公証人役場に保管されるので偽造・変造・紛失のおそれもないといいことづくめです。
唯一、遺言の内容が公証人や証人にわかってしまいますが、そのデメリットよりメリットの方が多いのではないでしょうか?
京都相続・後見サポートでは職務上、守秘義務のある司法書士が証人となることができますので、秘密が漏れることがありません。是非、ご活用ください。
自筆証書遺言
その名の通り、自分で全文、日附、氏名を紙に書き、印を押す方式です。
秘密にでき、立会人も不要、いつでも書き換えができる等気軽に利用できますが、その反面、遺言書の偽造・変造・未発見の危険があったり、法律的に不完全な遺言となっていることがあったり、家庭裁判所での検認が必要であったりとデメリットもあります。
もし、この方式で遺言される場合には、死後、法律知識の無い相続人が無意識に開封しないよう封筒の裏等に「勝手に開封しない旨や遺言執行者の連絡先等」を書いておくのが親切でしょう。
京都相続・後見サポートでは、専門家である司法書士が遺言書作成のアドバイスや原案作成をさせていただきます。
司法書士は職務上、守秘義務がありますので、外部に秘密が漏れることがありません。是非、ご活用ください。
遺言の能力
遺言は誰でもできるとお考えでしょうか?
確かに遺言は、遺言者の生前の最終意思を尊重する観点からすると誰でもできそうですが、その意思が確かな判断能力のもとでなされなければ意味をなしません。
民法は、未成年者でも15歳以上なら遺言できるとして年齢で線引きし、成年被後見人でも判断能力が回復したときには遺言を認めています。
但し、成年被後見人がする場合には医師2人以上の立会いが必要となっています。
公正証書遺言の証人・立会人は誰でもいいのか
公正証書遺言の証人は、遺言の真実性や適法性を担保するので、誰でもいいというわけではありません。
公正証書遺言について利害関係がある人が証人になると、横に同席することになるため、遺言者は自由な遺言ができないということが容易に想像できると思います。
これも民法で規定されており、未成年者、推定相続人とその配偶者・直系血族、受遺者血族とその配偶者・直系血族はなれません。
京都相続・後見サポートでは職務上、守秘義務のある司法書士が証人となることができますので、秘密が漏れることがありません。是非、ご活用ください。
遺言書の検認・開封
公正証書以外の遺言では、家庭裁判所での検認・開封手続きを経なければなりません。
誰でも勝手に開けてもよいとなると、偽造・変造の虞があり後々トラブルになりかねないからです。
手続きを経ないと、5万円以下の過料に処せられます。
(詳しくは、遺言書検認)
遺贈
遺贈とは、遺言で無償譲与することをいいます。
贈与ではなく譲与とあるのは、贈与はあくまでも両者の契約であり死因贈与という別の規定が適用になり、単独行為である遺贈とは区別されているのです。